8月13日(月) 雨降って、晴れて、また降って


 夜中の2時30分頃にすごい音がして目が覚めた。空襲とは思わなかったが、地震かカミナリかそれとも何なのかわからなかった。
 さて、何の音だったでしょう? 答えはゴミ収集の音でした。袋を運ぶ「ガチャ・ガチャ」と、トラックがバックする「ブーッ・ブーッ」と、作業員の“オーライ・オーライ”の音。しかし、なぜ真夜中にするのだろう? 理由はいまだにわからないまま。誰か教えてください。

 そして朝。夜中に起こされたせいか、眠い。眠いまま教室に行くと、クラスメートも「眠い」を連発。人によっては授業中にコックリコックリ…。
 自分もそうだが、下宿であれ寮であれ、自宅じゃないから知らず知らずのうちに気遣いをしている。それが眠気となって出ているみたいだ。
 授業中に寝ることはなかったが、午後の映画鑑賞中は寝てしまった。
 なお、映画は『バンジージャンプをする』。その名の通り、バンジージャンプをして終わりなのだけれど、ここに至るまでの課程が…その…なんというか…一筋縄ではいきません。



8月14日(火) 晴れるから暑い


 午前の授業よりも、今日は午後の歴史講義で言っていたことを。

 日本と韓国は近い。海で隔てられているとはいえ、中国からの影響が大きい。つまり基は同じ。でも、文化は長い期間によって作られてきた。だから、基が同じでも、どんなに近くても、全く違ってくる。
 例えば、食文化。
 日本は素材を活かし、見た目も美しい(例:寿司、刺身)。韓国は保存食を使って全く別の料理を作り上げる(例:チゲ)。保存食の有無が食べ方も変えたわけだ。

 次に、新しい歴史教科書問題について。
 これによって訪日中止が相次いだが、社会の雰囲気や世論がそういう方向だった。教授は「個人的には間違っていると思う。民間は民間でしょ」という旨の発言をされた。一方で「日帝時代を知っている人々は抗議をするけれど、傷ついた人々は記憶が残っている。それはわかってあげて」とも。
 また、歴史教科書の執筆者のひとり(中学校教諭)がこの講座に参加していて、新しい歴史教科書について説明をしていた。
 なお、韓国の歴史教科書では、日帝時代(1910〜45)は独立運動史が中心で、在日韓国人ができる過程については記述していないそうだ。
 そして最後に、70代の在日韓国人が「この歴史教科書は事実に基づいたものではあるが、歴史小説のように仕立ててある。それを教科書として使うことが問題になってる」とおっしゃった。



8月15日(水・祝) 雨が降ったら、晴れる


 光復節で学校は休み。しかし光復節である。何かあるに違いない。
 正午過ぎ、日本大使館にほど近い鍾閣(チョンガク)駅で降りる。警察のバスが並んでいたが、交通規制も何もなかった。そのときは「デモがあったけれど終わったんだろう」と思った。後刻、下宿で聞いたら全く逆で、行った時間よりあとで従軍慰安婦をさせられたお婆さん達のデモがあったそうだ。
南北統一を願う集会の様子。わかりにくくてすみません。
 次に、国会議事堂もある汝矣島(ヨイド)へ。14時頃、汝矣ナル駅で降りると鍾閣よりも厳重警備。そして人が大きな旗を担いで集まってくる。時間が経つにつれて、一緒に歌を歌いながら団体が続々と出てくる。何の集会と思って見ていたら、南北統一を願う集会をやっていた。近寄りがたい雰囲気。写真に撮ったが、近くへ行くと職務質問されそうで、遠くから1枚しか撮れなかった。シャッターを押したとき、むちゃくちゃ緊張した。

 はからずも、韓国人が願っていることを目の当たりにしたのだ。
 過去への恨みも忘れていないが、統一への思いもこの日には込められつつあるのだと。
 日本人の自分には考えてもいなかったことだった。



8月16日(木) 晴れて暑すぎる


 寝ている間に足の裏(土踏まず)を蚊にさされた。かゆい。もうちょっと場所を考えてほしいものだ。どうでもいいが、韓国の蚊と蝿は大きいぞ。

 午前の授業は眠気との戦いになりつつある。寝ていないが。
 午後はサムルノリの2回目。人数減ってた。ま、しゃーないわな。

 今日はそれだけ。この夏一番の暑さだった以外に特になし。



8月17日(金) 今日も晴れて暑くなる


 今日も暑い。残暑にしても暑すぎる。

 ここまで約2週間、下宿では“サッポロアジョッシ”と呼ばれてきた。韓国では人を苗字では呼ばない。苗字と名前のフルネームか、下の名前だけか、それともニックネームか。“サッポロアジョッシ”は札幌から来た男性という意味であるが、特徴をうまく捉えたものだと感心する。
 朝、下宿で食事をしていたら、アジュンマが“アジョッシとチョンガと、どっちがいい?”と聞いてきた。アジョッシの本来の意味は「おじさん」である。日本と同じで若い人には使わない。チョンガは「ひとり」の意味であり、日本では単身赴任を「チョンガー」というが、語源はこれである。この説明をしたうえで“だからどちらもいいイメージはない”と答えると、アジュンマは“あら、韓国では人気あるのよ”と言ってきた。韓国では独身の若者のことを“チョンガ”と言うらしい。
 アジュンマ曰く“独身で若いんだし、アジョッシよりはチョンガと言ったほうが韓国人女性に受けがいいのよ”ということである。“じゃあ、チョンガでお願いします”と答えておいた。別にモテたいと思っていない…はずはないが(誤爆)チョンガと言ってモテるんなら、みんな言ってるさ。
 ということで、下宿先では“サッポロチョンガ”と言われることになりそうだ。



8月18日(土) 今日も晴れて暑すぎ


 竜仁(ヨンジン)市にある韓国民族村へ行く。
 高速道路を水原(スウォン)へ向かうのだが、ICまでの一般道もICからの高速道路もところどころで渋滞気味。しょっぱなからこれで大丈夫かと思ったが、1時間ちょっとで着いた。
綱渡りをするおじさん。いい味出してました。  中に入ると意外と煙くて臭い。というのは、実際に建屋の中で人が生活の様子を実演し、動物も飼育しているからだ。手間がかかっている。
 実演といえば、韓国の農楽(サムルノリ)や、板跳び、綱渡り、古式の結婚式を一日2回やっている。農楽・板跳び・綱渡りはすごい迫力なのだ。個人的には昔の生活を見せられたって興味は湧かないのだが、この三つの実演は見て損はない。それで、この綱渡りのおじさんが面白いんだ。曲芸をこともなげにやっていながら“すごいと思うでしょ。苦労してるんですよ”とか、あぐらをかいて綱渡りして“あー、腿がこすれて痛い”って言ってのけた。脱帽。
 一方、古式の結婚式は三三九度に似た儀式をするあたり、日本に似ているような気がした。そこからは違う。新郎は馬に乗り、新婦は籠に乗って、他の親族が列を作る。
傘の下の青い男性が新郎、後ろの籠の中には新婦がいます こうして荷物を持って列をなします
 15時に民族村をあとにする。帰路はさらに渋滞気味。何時に学校に戻れるのか不安になったが、高速道路は片側5車線あるうちの一番中央寄り車線がバス専用となっているようで、往路よりもスムーズに走った。それにしても、両方向合わせて10車線もあるというのに、その8車線がクルマで埋め尽くされるというのは壮観というか、恐ろしいものである。お盆と重なった土曜日、なんともはや…。
 学校には16時30分頃に到着。そのままPC房へ直行し、コンサドーレ札幌のとあるサイトにアクセス。チャットで試合状況をリアルタイムで知る。結果は2−5。えー、コメントは控えさせていただきます。



8月19日(日) ひやけしたぞ


安岩付近略図はここをクリック!

竜頭洞教会  下宿先の一家は敬虔なプロテスタント。アジュンマのお誘いを受け、一家が行っている教会へ日本人3人もついていくことになった。
 タクシーで約10分、竜頭洞(ヨンドゥドン)教会に着き、11時からの礼拝に参加。1時間ほどで終了し、牧師さん他、教会関係者とも挨拶と握手し、地下の食堂でカレーライスも食べてしまった。
 こんなに図々しくていいんだろうか?

 そのあとは個々の予定があるので、独りで行動する。
 この竜頭洞と隣接する祭基洞(チェギドン)界隈は漢方薬の卸問屋が集まっている。歩くと薬臭い。とはいえ、地下鉄駅も大きなスーパーも生鮮食品の市場もあって、人は多く集まっている。

 夕食後、アジュンマから“ネイティブな日本語を話す人がソウルにいてもいいよね?”と言われた。つまりは“韓国語が上手なのだし、ソウルで日本語を教えたり、日本人相手のツアーガイドをやってみては?”ということなのだ。今回はノービザ(※)だし、家庭の事情もあって一度は帰らないといけない。仮にそうなったとしたら、韓国政府にはビザ発給の手続きが、日本大使館には在留邦人としての届出が必要になってくる。だから即答は避けた。

係留している船。この中はレストラン  そのあと、20時から旦那さんのクルマで漢江(ハンガン)のトクソムへ行く。ここは船を係留してレストランを営業している。時々、花火も打ちあがった。人もクルマもいっぱいだ。
 堤防にビニールシートを広げ、下宿一家、その日本人3人、妹一家、友達一家としばらく談笑。友達一家の娘さんは高校の第2外国語で日本語を勉強しており、“日本語はどう? 発音が難しくないかい?”と尋ねると“発音よりもカタカナが難しい”と答えてくれた。
 下宿の旦那さん曰く“ソウルの暑い日の夜は、みんなこうして涼むんだ”と説明してくれた。
 空は高く、風は心地よく、ビールはうまかった。


(※)日本人は韓国に1ヶ月間ビザなしで滞在できる。

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